趣味は難しい?〜読者の方の声

音楽や芸術の話

以前、「趣味をもつことについて」という記事を書いたのですが、読んでいただいた方からお声をいただきました。

趣味で楽器を演奏していて、ご自分のやっていることにとても疑問を感じている、という内容でした。

何のための趣味なのか

その方は若い頃から楽器を演奏するのが好きで、社会人になってからもアマチュアの楽団に所属して、毎週末のように練習があり、演奏会も年に2回ほど出演しているとのことです。

どた山の記事を読んで違和感があった、とのことですが、趣味でやっている活動がかなり負担に感じているようです。

その方の活動は、週末の練習に参加するために、平日の夜も仕事が終わってから家で練習をするということが日常となっているそうです。年齢を重ねてきて、体力的に厳しい上に、たまにはお酒や友人との外食などで発散をしたいのだけど、練習しておかないと、と思うと仕事が終わると家にこもってしまうとのこと。

また、週末に楽団の練習にいくと、指導者として呼んでいるトレーナーや、周りの団員から厳しいことを言われ、かなりの緊張と付いていけなかったらどうしよう、という不安感にさいなまれるとのことです。

せっかくの週末に、時間とお金をかけて参加し、ストレスを感じるというのは、趣味なのだろうか。どた山は人と比べるな、とか言っているけど、周囲から比べるようなことを言われると、自分の意志だけではどうにもならない、というお話でした。

どた山も楽器を弾くのが趣味なので、いくつか気になる点を考えてみたいと思います。

個人的に指摘されているのか

まず気になるのが、周りから厳しいことを言われる、とのことですが、いくつかのパターンが考えられます。

1 全体としての傾向を指摘している場合

集団で演奏している場合、特定の音形を演奏している人たちであったり、一定のセクションやパートなどのかたまりに、「こう演奏しよう」と意思統一が図られることがあります。

たまたまその部分が自分の苦手な部分であったり、あまり意識していなかったことであると、自分のせいでそうしたことを言われているのではないかと被害妄想をいだくことがよくあります。

これは人と演奏するときはよくあることです。そのように感じる人は、きわめて真面目で信頼に足り、責任感が強いだけなので、まったく意識する必要はありません。

むしろ、そうしたことを言われて、自分のことと感じない人に原因があることがほとんどなので、単なる思い過ごしと割り切りましょう。

2 個人に対して指摘されている場合

この場合は、どのように言われたのか、周囲との関係性、受け取る側の心理状態など、ケースによって変わってきますね。

「そこ違ってるよ、◯◯にできないの?」と言われた場合、穏やかな感じで言われたのか、トゲトゲしかったのか、ニュアンスが全然違いますよね。

また、立場上の違い、たとえばセクションのリーダーをやっているとか、性格的に押しが強い、技術的に優れていることで威圧的である、など、そうしたある意味での「優位性」がある人の場合には、気を使った物言いになっているか、というのは重要なポイントです。

そうした優位性があったり、心理的距離感がある相手の場合に不快な物言いをしてくる人は、とるに足らない人なので軽蔑しましょう

レベルが合っていない

集団で演奏などをする場合、レベルがかけ離れているとついていくための努力が過剰となり、疲労するだけになって精神的にももちません。

もちろん、周囲のフォローがあったり、和やかに受け入れてもらえるなら問題ありませんが、往々にしてレベルが高すぎる団体は排他的で、ついていけない人を除外する傾向がありますから、そうした場合は別の楽しめる場所を探す、というのも大切なことです。

好きだったことが義務になっていないか

演奏活動のようなことをやっているところに所属していると、定期的に演奏会があり、それをこなしていく、という仕事のような部分が発生します。

これはお客さんに来てもらって演奏を聞いてもらう、という部分から仕方のないところがあります。

アマチュアとはいえ、来てくれる人は、人生の時間の一部をそのために使い、仮に入場無料であっても会場までの交通費などを使って来ているので、演奏も運営も可能なことはしていかなくてはいけません。

でも日常に差し支えたりとか、心身に支障がでたりなど、やっていることに疑問が生じてきたときは、少しお休みしてみてもいいのではないでしょうか。

なんでその趣味を選んだのか、やってきた活動は自分にふさわしかったのか、見つめる時間も必要だと思います。

その結果、また納得できるようになれば、悩んでいたときより楽しく活動できるのではないでしょうか。

コメント

  1. こや より:

    難しい問題ですね。
    昔、変なオケで第九をやったときにパートのトップになってしまって、重圧を感じて胃潰瘍になってしまったことがあります。
    本当に変わったオケで、演奏会の爆破予告なども受けたりしていました。
    後にも先にも趣味の関係で胃潰瘍になったのはそのときだけなので、団全体の雰囲気、人間関係なども影響していると思います。

    • dotayama8 より:

      結局は技術とか能力ではなくて、誰とやるか、が大事なのだなと思います。トップで憂鬱になることもあれば、おかしなトップで憂鬱になるというのも楽団にありがちですね。

  2. ダフニス より:

    たしかに、趣味なんですからネガティブな感情を持ったまま続ける必要はないですよね。

    時間をおいて、見つめ直して。マイペースがいいと自分も思います。

    • dotayama8 より:

      本当におっしゃるとおりなのですが、集団で活動する趣味というのは難しいですね。仕事のような社会性とか、意図しない比較をされるとか、楽しい事ばかりではないようです。

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