趣味をもつことは近年ではよいことと言われることが多いですよね。どた山が仕事を始めた昭和の頃は、「男は仕事だよな」(これ、何重にもつっこみようがある言われようですが)とか言われて、あまり積極的に楽器弾くのが好きです、とか言えない状況でした。
今は逆に何か趣味がないと、面白くない人、とか、何が楽しみで生きてるの? とか思われるようなこともあって、時代も変わりましたよね。
どた山には今のほうが気が楽です。
無理してやることでもないけれど
仕事が趣味みたいなものです、とか、子育ては大変だけど、子どもの成長見るのが楽しくて、とか、そういうのもとても素敵だと思います。
「趣味推奨派」のような人の中には、それじゃ定年になったり子どもが大きくなったりしたらどうするんだ、みたいに言う人もいたりするのですが、趣味を持つことは必須というわけではないんだし、それぞれでいいんですよ。
無理に探し出してやらなくても、日々の生活の中に楽しいと思えることがあれば、よい日常だと思います。
それでも趣味をもつことはいいことだと思う理由
とは言ってもやはり、何か趣味をもつことについてはとても推奨する、というのがどた山のスタンスです。そこから派生するよいことが色々あると思っています。
昭和の時代に仕事以外の関心事があることを否定的に言われたことへの反感、とかそんなことも影響しているのかもしれませんが、やはりいいことが多かったな、ということを実感しています。
理由1 感性や意欲の証明
その趣味を選ぶ、というのはどこかに、これって面白い、心を動かされる、という感性や、これやってみたい、上手になってみたい、という意欲とか、そうしたことがあるからではないでしょうか。
そうした感性や意欲があるというのは、日々の生活の満足度を上げるその人の資質なのではないかと思います。
趣味をもつとか始めるところにいたる過程が、もうすでにいきいきしていると感じるのです。
行動型の趣味ではなくても、鑑賞型のものでも同じです。
理由2 何かあったときの逃げ場になることがある
生きていると辛いこととかいやなことが起きるのは避けられないですよね。避けようと思っていたり、ポジティブなものの考え方を身に着けたりしていても、事故のようにやってくる、人の世に生きるものとして仕方ないところもあります。
そんなときに好きなことに集中する時間をもっていると、いやな気分がすっと浄化されたり、そこまでいかなくても気持ちがちょっと軽くなっていたり、というのはよく経験することです。
ずいぶん前のことになりますが、就職試験のとき、とある会社で圧迫面接をされたことがあります。
何か質問をしては揚げ足をとり、高圧的なダメ出しをくりかえす、ということが延々と続くものでした。こちらの資質などこれでわかるはずもなく、わかるかもしれないのはブラック企業での耐性くらいかな、というものでした。6人くらいずらりと強面の面接官をならべ、一番右側に座っていたおじさんは、怖い顔をして体ごとそっぽ向いて窓の外を見続けていました。
今思うと昭和の末期でしたし、先端の気のきいた面接をしている、というつもりだったのかもしれません。
でも受ける方の心労は相当のものでした。そんな面接をされるとは思ってないですからね。
まだ社会経験もアルバイトくらいということもあったのですが、すっかり社会の理不尽さを味わった気になっていた若きどた山は、帰ってから自然とCDに手を伸ばしたのでした。曲はブルックナーの交響曲第8番。クラシックに少しなじみがある方ならご存知かもしれませんが、演奏時間1時間半の重厚な精神世界、といった曲で、会社がどうとか面接がどうとか、そうした世界からは対極のところにある、とその時は感じていた曲でした。
これでかなり気持ちがもとに戻った、というのをよく覚えています。
音楽を聞く、という趣味に助けられたな、と今でも思い出します。
理由3 人とつながれる
何か好きなことをやっていると、たとえリアルにではなくても人とつながれるのもいいですね。
ひとりでじっくりと好きなことの世界に入っていたい、というのも素敵なことで、そうした時間も大事にしたほうが奥深さを感じます。
一方で、ひとりでやる趣味にしても、どこかで人とつながっていくことが多いのがまた面白いところです。同好の人のことを検索するだけでも、つながりですから。
仕事や家庭以外のところで人との接点がなくなると、息がつまります。たとえ日ごろ良好な関係の会社や家族だとしても、ちょっとギクシャクした部分があったりしたときには呼吸穴くらいは欲しいかな。
人とのつながりはある程度本数を持っていたほうが、悪い人間関係に固執しなくて済む場合があるので、精神衛生上もいいものです。
たとえ人見知りな性格だとしても、少しでも人と出会う人生のほうがきっと充実したものになるのではないかな、と感じています。
ハードもよしソフトもよし
趣味への対し方というのも人それぞれで、そこもいいところですよね。
ハードにつきつめるのも面白いし、気楽に向き合うのも大人な感じですし。
音楽演奏系の人はハードタイプが多そうです。
ある程度、周囲の水準に合わせないとまとまらない、という事情もあるのでしょう。自分のスタンスに合うところで活動するのが居心地いいかもしれないので、そうした選択が悩みどころかも。
一方、カメラなどはハードにできないという事情を聞いたことがあります。
色々つきつめていこうとすると、このレンズだともっと良くなるはず、そうしたらボディーはこれにして、と際限なくお金がかかってしまうのだとか。
どこかで線を引くのが難しいところでしょうか。
向き合い方も自由、というのが、仕事と違って楽しいところです。
注意したいところ
楽しく日々を過ごすために、仕事とは違う夢中になれること=趣味を持つことの利点を考えてみました。
どた山は楽器演奏を下手の横好きで長いことやっているのですが、どの趣味にも共通しそうな注意したいことがあります。
それは、人と比べない、ということです。
同じことをやっている人同士で知り合うことも多くなりますが、なにかと比較して、あの人よりうまくなりたい、みたいに思ってしまうこともありがちなことです。
場合によっては、そんな下手くそで、みたいなことを言ってくる性格に難のある人もいたりします。(そんなときは関わったり反論したりせずさっと逃げましょう。人生の時間の無駄遣いです)
比較をしてしまうと、つらいだけでつまらなくなってしまいます。比較をするならちょっと過去の自分としたいものです。
理想をいえば、上手だったり一日の長のある人には、「ねえねえ教えてよ」と図々しく言って、仲良く和やかな雰囲気になるのがいいですね。逆マウントくらいがちょうどいいのです。
速いパッセージが弾けなかったり、バックハンドでネットに引っかけがちだったり、投稿がなかなか入選しなかったり、それでもゆったりとした気持ちでいませんか。
楽しみでやっている、という豊かな世界なのですから。
コメント
「比較をするならちょっと過去の自分」はステキな言葉でごさまいますね。
人と比較して豊かな気持ちになることって、あまり記憶にないですからね。